擬人化大宇宙:
ヒューヴルちゃんの邂逅
ある日、ヒューヴルちゃんが住んでいる
惑星アヴァイトラールに、シンテーアちゃんが
やってきました。
シンテーアちゃん
「この惑星はどうも海ばっかりね…やっと陸地を見つけたわ」
ヒューヴルちゃん
「あ、見たことない人がいるー」
シンテーアちゃん
「この惑星の住民みたいね。初めまして」
ヒューヴルちゃんの喋る言語を
習得しようとしたシンテーアちゃんでしたが、
天嶺の時のようにはうまくいきませんでした。
数年の内にできたことは、
アヴァイトラールの測量くらいだったのです。
シンテーアちゃん
「はぅぅ…やっぱり天嶺ちゃんが特別だったのね…
全っ然言葉覚えられないわ…」
ヒューヴルちゃん
(何やってるんだろうあの人…)
シンテーアちゃんが手間取っている間に、
第一次宇宙大戦が勃発。
シンテーアちゃんは辺鄙なこの星を
調査する余裕がなくなってしまい、
ついに引き上げてしまいます。
シンテーアちゃん
「私、調査してるどころじゃなくなっちゃったし、
この星いらない? 田舎だけど」
エルトリアちゃん
「ふぅん…ま、わたくしもちょうど
海外領土が欲しかったところですし…。
いいですわ、その話乗りましたわ」
ヒューヴルちゃんが頭にハテナマークを浮かべている頃、
調査を断念したシンテーアちゃんが
エルトリアちゃんに調査権を売却してしまったのです。
ヒューヴルちゃん
(結局、あの人たちは何だったんだろう…)
エルトリアちゃん
「ごめんあそばせ。 ご機嫌いかがかしら?」
ヒューヴルちゃん
「あ。 また違う人が来た」
エルトリアちゃんはシンテーアちゃんとは違って、
非常に念入りに調査をしました。
シンテーアちゃんよりも時間がかかりましたが、
何とか言語を習得し、意思疎通ができるようになりました。
まもなくして、ヒューヴルちゃんの歴史や宗教、
そして文化についてわかるようになります。
エルトリアちゃん
「ふぅん…あなた、田舎者のくせになかなかやるじゃない」
ヒューヴルちゃん
「田舎者ってなんですかー!
ボクはこれが普通なんです!」プンスカ
エルトリアちゃん
「あら? わたくしは褒めてるつもりよ?
綺麗な海や空、それにあなたの文化は素晴らしいものね」
ヒューヴルちゃん
「そ、そうなんですか?///」テレテレ
エルトリアちゃん
「ふふふ…気に入ったわ。
あなた、わたくしの仲間になりませんこと?」
ヒューヴルちゃん
「仲間? 別にいいですけど…」
エルトリアちゃん
「この広い大宇宙には
見かけただけで剣を振りかざしてくる野蛮な国
だってあるんですわよ?」
ヒューヴルちゃん
「えっ!? そうなんですかっ!?」ガーン
エルトリアちゃん
「このままではあなた自身の身を守ることはできませんわ。
わたくしに付いて来なさい!」ビシッ
ヒューヴルちゃん
「わーい! エルトリアお姉ちゃーんっ!」ダキッ
エルトリアちゃん
「ちょ、ちょっと恥ずかしいですわっ///」
(お、お姉ちゃんですって…///)
エルトリアちゃん
「と、とりあえず…あなた、観光産業が得意そうね」
エルトリアちゃん
「大宇宙のみんなが遊びに来れるような
場所を目指して開発するわよ!」ビシッ
ヒューヴルちゃん
「うん! ボク、頑張るよ!! お姉ちゃん!」キリッ
ヒューヴルちゃん
(カンコウサンギョウってなんだろう…?)
エルトリアちゃんはヒューヴルちゃんの
伝統に理解あったおかげで、
ヒューヴルちゃんの宗主国(お姉ちゃん)になることができました。
それがすごく嬉しかったエルトリアちゃんは、
これから頑張ってヒューヴルちゃんの発展を
お手伝いすることになります。
しかし、これを快く思わない子たちが
ヒューヴルちゃんに声をかける日はそう遠くありませんでした――
その他の国々の反応
アマミちゃん
「むー。私たち神国同盟の方が仲良しだもん」
ヴィッテンクレイルちゃん
「ふふふっ…ヒューヴルちゃんなら幸福の壺、
買ってもらえそうね」
ベリオンちゃん
「私ならこんなクソザコ軟弱へなちょこ国家、
圧倒的粉砕を以て三日で植民地に致しますです!」