NOVELS
幽霊クルーザー
シュラウス
「こらぁねぇ、ボクの友人の軍人から聞いた話なんですけどねぇ。友人とクルーザーでちょっと宇宙空間にドライブに行くかってなった時の話らしいんですけどねぇ…
彼等、早速ドライブに出かけるんですけど、ちょっと遠出してみようかってんで、ワームホールを起動したんですね。そしたら行き先で救難信号をキャッチしたんですよ。
救難信号かぁ、まだ距離あるなぁ、面倒だけど行ってやるか。彼はそう思ってワームホールエンジンをチャージしてもう一回エンジンを起動したんですね。 まぁ燃料費の数倍の謝礼は出るかななんて、期待もしてたらしいんです。
行き先でとうとう小型クルーザーを発見したんです。電力も節電モードかオフにしてあるみたいでなんですね。 牽引ビームで引き寄せて、接合して入り口をこじ開けようとしたんですが、電源が入ったのかドアが開くんですよ。
でも中は真っ暗、友人の1人がなんか怖いな...これ、誰もいなかったらシャレになんねぇな、なんていいだすもんだからみんなしてビビってやめろよって彼を叱るんですね。
その次の瞬間電気が薄く、パッと仄かに着くんですよ。みんな、おッて思ったんです。
操縦席から少し離れたところで、男女が抱き合う様にして倒れてるのが見えたんです。大丈夫か!?って近寄るんですが、ダメみたいでした。
酸素はもったみたいなんですが、食料がなかったんでしょうね。みんなでなんか気分悪くなって、立ち去ろうとすると、操縦席のインターフェースが光るんです。
生前の彼らの記録映像か知らないけど、無表情で顔がこっちを見てるんですよ。ジーッと見たあとに、一言なんか言ったんです。彼は何を言ったか聞き取れなかったみたいなんですけどねぇ、別の友人がビクッとしたんで、おいなんだよっ、て聞いたんです。
生前の彼らの記録映像か知らないけど、無表情で顔がこっちを見てるんですよ。ジーッと見たあとに、一言なんか言ったんです。彼は何を言ったか聞き取れなかったみたいなんですけどねぇ、別の友人がビクッとしたんで、おいなんだよっ、て聞いたんです。
彼エルトリア語わかるんですけどねぇ、動画が「もう少し早く来てくれたら...」って言ったなんて言うんですよ。みんなゾッとしますよねぇ...だって我々がいつ来たかなんて、わからないじゃないですか...」